アパート・マンションの運営費用のうち、大きな比率を占めるのは、修繕費・消耗品費と固定資産税・都市計画税です。

税金の削減はハードルが高いですが、もしあなたの物件がプロパンガス物件であれば、プロパンガス会社とうまく協業することで、修繕費・消耗品費を大幅に削減できる場合があります。

プロパンガス会社による設備貸与は家主を助ける

いわゆる「プロパンガス」(実際の主成分はプロパンとブタンなので、正確な表現はLPガス Liquefied Petroleum Gas = 液化石油ガス)の供給業者は、ガスの長期供給契約の締結を条件に、居室内の設備投資を肩代わりし、それを「無償貸与」してくれる素晴らしいパートナーです。

私はこれまで、さまざまな設備の貸与を受けたことがあります。

  • ガス給湯器
  • 浴槽
  • キッチン
  • 化粧洗面台
  • エアコン
  • モニタ付ドアホン
  • キッチン水栓 など

契約内容を理解して積極的に活用しよう

長期契約が前提となる

もちろん、プロパンガス会社もビジネスですから、タダで設備をくれるわけではありません。

家主はガス会社と長期契約(例:10年契約)を締結します。
万一、契約途中で(例:5年経過後に)解約した場合、設備費用のうち未償却残高(例:5÷10=50%)を違約金としてガス会社に支払う取り決めとなっています。

事実上、ガス会社から借金したようなもの

大家であるあなたは、ガス会社との長期契約とセットになった無償貸与契約を、実質的には「ガス会社からお金を借りて設備投資し、ガス料金の粗利(の一部)で返済する契約」と理解しておくとよいでしょう。

この方法は、入居者にとっても家主にとってもメリットがあります。
一般論に、この方式のほうが安く設備投資できるためです。

  • 零細大家の資金調達は高金利(例えば4-5%)になりがちですが、、、
  • ガス会社の資金調達は低金利(例えば1-2%)でできる傾向があります

間違った規制強化では誰も得をしない

ガス会社との協業に対する的はずれな批判

最近、ガス会社によるリース契約の慣行を、「大家悪玉説」に基づいて問題視する議論がありますが、何が問題だというのでしょうか。
もし、この慣行を問題視して規制すれば、家主が設備投資を渋ってしまい、入居者が良い設備を利用できる機会を奪うことに繋がるだけです。

同じ構造を持つ「滞納者追出し批判」

同じように間違った論理の例として、「滞納者の追い出しは弱者切り捨てだ」と主張する人たちを指摘したいと思います。

まず最大の問題は、加害者と被害者を(恐らく意図的に)取り違えている点です。
滞納事案では、滞納者は加害者であり、家主は被害者です。

滞納しても追い出されないのでは、悪徳入居者が居座り続けることができ、家主に泣き寝入りさせることになります。
これでは取引の安全性が損なわれ、家主側は身を守るために入居者審査を厳格化しなければなりません。
結局、滞納して家主に損害を与える人はより一層、家を借りられなくなります。

最良の方法は、「滞納等の契約違反があれば、速やかに追い出せる」ようにすることです。そうすれば、多少不安な入居者がいても損害額を限定できるので、家主側もあえて貸す選択ができます。
第一、契約を守れば良いことであって、約束を破る加害者たちを滞納被害を受けている被害者よりも手厚く保護する必要がどこにあるのでしょうか。

「弱者保護」の欺瞞

「弱者保護」というきれいごと一本槍で現実を見ない人々は、実際には弱者を苦しめる結果をもたらします。
こういう人たちに議席を与えると社会を貧しくする法律や条例を作ってしまうため、私たちは身を守る必要があります。

議員の違いを理解してまともな方に投票する。
まっとうな情報を選択し、その逆のおかしな新聞・雑誌・番組は読みとばし聞き流す。
こうした積み重ねが重要です。

まとめ

プロパンガス会社の協力を受けて入居者が望む設備を導入し、稼働率向上につなげましょう!