本稿では地方アパートの経営について考察します。
地方アパートは高利回りだが課題がある
利回りが高いアパートを求めると、地方の物件が視野に入りますが、都市部の投資家・経営者にとって移動時間と委託業者の質に課題があります。
利回りが高い
一般に、地方の物件は高い利回りが期待でき、中には表面利回りが20%を超える物件も散見されます。
なぜ、地方の物件は利回りが高いのでしょうか。地方は高齢化や人口減少により稼働率の低下が懸念されていること、これと関連して金融機関が概して融資に消極的であることがその理由と考えられます。
移動時間がかかる
都市部の投資家が地方物件のオーナーとなる場合、物件所在地への移動時間が多くかかります。
もちろん、日常の維持管理や入居者対応は委託管理業者に任せることができます。しかし、購入検討時の物件調査や大きなリフォームの打ち合わせなど、どうしても現地を訪問したい状況も発生します。このような場合の往復移動にかなりの時間を要します。
委託業者の人材の層が薄い
地方は人材の質が都市部ほど高くありません。競争が激しくありませんし、仕事にかける熱意もそれほどない方が多いのが実態です。この結果、お願いした仕事が十分な質と速さでなされないこともあります。
遠方経営のコツ
問題点をうまくクリアして高利回りの投資を実現する方法は存在します。
現地企業に委託し、できるだけ現地訪問しない
物件管理は当然、現地の企業に委託して、訪問回数を減らすことが重要となります。
入居検討する方の内覧案内を遠方のオーナーが実施することなど、物理的に困難ですから当然に委託します。もしあなたが無事に事業拡大に成功し、全国規模の企業になったならば、その時点で自主管理も検討しましょう。
連絡はEメールをフル活用しましょう。地方は人材の層が薄く、電話連絡では伝達内容を誤解されたり、忘れられて「言った言わない」の問題になったりして、結果的に非効率です。
出張をスムーズに実施する
移動経路とスケジュールの確認
出張の準備をきっちり行いましょう。経路検索はグーグルマップが便利です。駅から駅のナビゲーションだけではなく、地点から地点の最短経路を、バス便を含めて表示してくれます。経路をカレンダーに登録する場合は、駅探での乗り換え案内結果をテキスト表示にし、カレンダーのメモ部分に貼り付けるとよいでしょう。
移動時間を有効利用(グリーン車)
首都圏の在来線は、普通席に乗っていては時間が死に時間となってしまいます。時間帯によっては混んでいて座れない場合もありますし、ロングシートで横揺れしてしまうからです。
そこで、グリーン車を利用することをおすすめします。移動時間とはいえ、読書したり、スマホやタブレットを利用して情報収集やメールの送受信をするなど、有効利用の方法はいくらでもあります。
物件資料はオンライン保管して書類を軽量化
物件資料はDropboxなどのオンラインストレージに格納し、タブレット(iPad等)で参照すると持ち運ぶ書類が減ってスマートです。