不動産投資には通常、一定の初期投資のための現金(頭金)が必要です。本稿ではその作り方を考察します。
支出を減らす(節約)
収入を増やすよりも支出を減らすことがカンタンです。まずはこちらから手をつけましょう。
固定費の削減
まず最初に考えるべきは、毎月固定で引き落とされる費用(固定費)の削減です。
住宅関連支出を削減する
家賃や住宅ローンは最大の支出ですから、節約の可能性が最大の項目です。
賃貸の方は、より家賃の安い物件への引っ越しを検討しましょう。
持ち家の方は、住宅ローンの借換を検討しましょう。日本では近年、金利が非常に安い状況が続いており、以前に組んだ住宅ローンを借り換えると大幅に金利が下がる事例が続出しています。
自動車関連支出を削減する
自動車を所有した場合、車体購入費のみならず、継続的に多くの費用(駐車場代金、自賠責保険料、(任意)自動車保険料、ガソリン代金、車検費用、自動車税など)がかかります。居住する地域により状況は様々ですが、実現性がある方は以下のような取り組みを検討しましょう。
- 公共交通機関の利用に切り替え、必要に応じてタクシーかレンタカーを利用する
- カーシェアの利用に切り替える
- 軽自動車やハイブリッド車に買い替えて、ガソリン代や自動車税を削減する
生命保険料を削減する
生命保険料は、家賃の次に有力な項目です。現在支払っている保険が本当に必要かどうか、今一度見直してみましょう。
特に、積立方式の生命保険は、不動産投資家にはまったくおすすめできません。積立の利率がせいぜい1~2%の商品が大半ですし、払った保険料の一部は事業費として保険会社に吸い取られます。これを、実質利回り10%、内部収益率(IRR)で30%超えも実現できるアパート・マンション投資と比較すると、たいへん不利なのです。解約する、払済にする等の対応を検討しましょう。
掛け捨て保険に関しては、家族がいる方などは、万一の事態に備えて検討してもよいでしょう。ライフネット生命やオリックス生命保険などがコストの低い掛け捨て保険を提供していますので検討しましょう。複数の保険会社を比較したい場合には、ほけんの窓口などを利用しましょう。
通信費を削減する
通信費も非常に有力な項目です。携帯通信に支払う金額には個人差がありますが、多い人は1万円以上支払っていることが明らかになっています。以下のような削減方法があります。
- 電子メールや無料アプリを活用して有料通話を減らす
- 格安スマホ・格安SIMを利用する。自宅にWiFiを整備すれば、携帯電話・スマートフォンでのデータ通信量を大幅に削減できます。例えば、楽天モバイルのスーパーホーダイ(10分以内の通話が無料)で通信容量2GBだと月額1,480円、6GBでも月額2,480円とお得です。
- 携帯電話の不要なオプションサービスを解約する。携帯電話の料金明細を確認してください。気づかないうちに毎月数百円を支払っているかも知れません。中でもソフトバンクは特にやり方が巧妙ですから要注意です。
購読料を削減する
このほかにも毎月発生する費用があります。必要性を再検討し、不要であると判断できたものは削減しましょう。
- 動画配信サービス(Netflix、Hulu等)
- アプリの課金サービス(食べログ、クックパッド、乗り換え案内など)
- 雑誌や有料メルマガの購読
変動費の削減
固定費へのアプローチが終われば、次は変動費の削減を検討します。
食費を削減する
飲み会
- 愚痴をいうだけの後ろ向きな飲み会をスッパリやめる。
- 二次会の参加を控える。
外食
- 外食を控える。
- カフェ等の利用は控えて公共のベンチ等で休憩する。カフェを利用する場合も、スターバックス(313円~)やタリーズ(320円~)ではなくマクドナルド(100円~)やドトール(220円~)にして単価を下げる(金額はいずれも税込)。
飲料代
- 自動販売機で飲料を買わない。自宅から持参するか、スーパー・コンビニの低価格品を選択する。
- 自宅ではペットボトル飲料ではなく、水道水を飲む。浄水器を利用してもよい。
光熱費を削減する
空調費用
- 勉強、読書、PC作業等は、自宅を離れてエアコンのきいた図書館を利用する。
- 部屋の断熱性能を高めて、空調費を削減する。具体策としては、ガラスに貼る断熱シート(プチプチ・非プチプチ)、サッシに貼る透明断熱フィルム(網ガラスでも利用可能)、カーテンレールに掛ける冷気ストッパー、断熱カーテン等があります。
- 冬場は衣服で調整して空調費を削減する。特に温かい室内スリッパの利用がおすすめです。
照明費用
- 白熱灯や蛍光灯をLED照明に交換して消費電力を下げる
- 照明を点けっぱなしにしない
その他の光熱費
- パソコンの消費電力を減らす。使わないときは電源を切るか、スリープモードにする。電源設定で一定時間経過後に自動でスリープモードにすることができます。
- ENEOSでんき等を利用することで電気代が割安になる場合があります。よく比較検討してお得なプランを採用しましょう。
ファッション関連経費を削減する
ファッション経費も、ファッション業界以外の男性にとっては必要性が乏しいと思われます。
- 洋服代金を削減する。ジーユー、ジーンズメイトなどを活用して最低限に抑えましょう。
- ヘアケア代金をへらす。QBハウスは1,200円、10分間でカットを完了してくれます。
書籍代を削減する
知識は力ですし、不動産関係の勉強は是非したいところです。
しかし本をポンポン買っているとじわじわと家計を圧迫しますから、工夫しましょう。以下の方法がおススメです。
- 図書館で借りる。最近の図書館はネット予約もできますから大いに利用しましょう。
- ブックオフオンラインで安く買う。新品よりも大幅に節約できます。
コンタクトレンズ代金を削減する
近視の矯正が必要な方は、メガネまたは長期間利用可能なレンズを活用し、使い捨てコンタクトレンズの利用頻度を下げましょう
銀行手数料を削減する
銀行ATMの時間外手数料や振込手数料は積もり積もるとダメージが大きいです。ネット銀行(住信SBIネット銀行がおすすめです)を利用して手数料を減らしましょう。
その他の支出削減
このほか、実質的に支出を削減する方法があります。
ポイント還元により実質支出を減らす
ポイント還元があるクレジットカードやキャッシュレス決済を利用することにより、実質的な支出を削減できます。最近では、確定申告後の所得税もクレジットカード払いができるようになりました。
住民税の負担を減らす
ふるさと納税を活用することにより、住民税の実質負担を削減できます。
支出を遅らせる
支出を遅らせることにより、猶予期間に資金を活用できます。例えば預金金利を得たり、株式を保有して配当を得ることができます。ただし自己管理能力がない方は散財してしまって逆効果ですので気をつけてください。
ボーナス払いの利用
クレジットカードをボーナス払いにすることで、無金利で支払いを繰り延べることができます。以下のことを覚えておくと有益です。
- ネット通販ではヨドバシ・ドット・コムが対応している
- ビューカードでの1回1万円以上の決済は、会員用サイトからボーナス払いに変更可能
分割払いの利用
費用の一部は分割払いが選択できますので積極的に活用しましょう。
- 国民年金の保険料:毎月払いが選択可能
- 固定資産税、住民税:4分割払いが選択可能
収入を増やす
残業代を稼ぐ
勤務先で残業代が支給される方は、業務に可能な限り打ち込み、会社への貢献の正当な対価として残業代を受け取りましょう。
副業で稼ぐ
副業も選択肢に入れましょう。会社で非番の日にアルバイトをするもよし、アフィリエイトなどのネット収益を得るもよし。工夫してみましょう