自営業や投資家のふるさと納税控除限度額の計算方法とは?
マネー雑誌などでふるさと納税が頻繁に特集されていますが、いつも「会社員の場合の利用可能額はこれこれこのように計算できます」という記事ばかり。自営業者で不動産所得と株式等譲渡所得が混在している自分はいったいいくらまで寄付したらよいのかわからず、今まで活用できていませんでした。
そこで、本稿では自営業者のふるさと納税活用について調べた結果を共有したいと思います。結論は、年率50%超えも可能! です。
住民税の「寄附金控除」は税額控除
一般に「ふるさと納税」と呼ばれていますが、制度の正式名称は「寄附金控除」です。
住民税に対する寄附金控除は、「税額控除」であり、税額からまるまる控除されます。
ちなみに、所得税に対する寄附金控除は一定金額をその年の所得から控除できる「所得控除」です。
ほぼ税額控除はどこまでが対象か?
総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」に説明が出ていました。
住民税に対する「税額控除」の上限額は、寄附金額に応じて以下のようになります。
- 寄付金が住民税所得割額の2割以下:寄附金額-2,000円
- 寄付金が住民税所得割額の2割超:住民税所得割額の2割-2,000円
意外にシンプルで拍子抜けしています。
今まで考えるのをサボっていただけのようです。
株式譲渡所得
株式譲渡所得については、所得額の1%を寄付するのがベストです。
- 譲渡所得100万円→住民税所得割は5%の5万円→寄付金額1万円,税額控除0.8万円
- 譲渡所得200万円→住民税所得割は5%の10万円→寄付金額2万円,税額控除1.8万円
- 譲渡所得300万円→住民税所得割は5%の15万円→寄付金額3万円,税額控除2.8万円
- ・・・
- ・・・
- 譲渡所得1000万円→住民税所得割は5%の50万円→寄付金額10万円,税額控除9.8万円
事業所得・不動産所得など
また、事業所得や不動産所得の場合は、(基礎控除や社会保険料控除などを控除した)控除後所得の2%を寄付するのがベストです。
住民税均等割は控除後所得の10%であるためです。
控除をうけるための手続
確定申告を行うこと、寄附を証明する書類(受領書)を添付が必要なようです。
意外と簡単そうなので、私も今年は挑戦してみたいと思います。
ふるさと納税の最適な活用法
さらに、この「ふるさと納税投資」の利回りを検討したいところです。
ここからは100万円を寄付するとして、検討したいと思います。
スケジュール
大まかな収支のスケジュールを考えると以下のようになります。
- X年に自治体に対して100万円をふるさと納税として寄付
- X+1年6月頃に届く納税通知額から99.8万円が控除
- 住民税の納付は4分割可能(例: 6月,8月,10月,翌1月)
ふるさと納税の還元率
ふるさと納税の還元率はどのくらいあるのでしょうか。
情報サイトによると30%程度のものや、中には100%を超えるものもあるようですね。
ここでは仮に30%と仮定して話をすすめます。
寄付する時期
寄付の時期は12月がベストです。
1月であれ12月であれ、税負担軽減の効果が出る時期は同じだからで、早く寄付するだけ、資金効率が悪化します。
ふるさと納税プロジェクトの評価
12月に寄付すると、翌年6月,8月,10月,翌々年1月に各25万円の節税効果があります。
平均すると、約9ヶ月後に実現することになりますから、、、
※ (6+8+10+13) ÷ 4 = 9.25
- 最初に差引70万円支出(100万円寄付して30万円還元)
- 9ヶ月後に100万円のメリット
70万円を預けて9ヶ月後に30万円の利子がつく定期預金に近いです(簡略化のためざっくり計算しています)。
年率換算すると、57%ですね。悪くありません。
※(30 × 12/9) ÷ 70 = 57%