
総評
日本政策金融公庫・国民生活事業は、財務省が株式の過半数を保有する公的金融機関です。
税法上の耐用年数にこだわらずに融資審査をしてくれる政府系金融機関(ノンバンク)であり、特に築古物件を得意とする投資家にとっては心強い金融機関です。
融資方針
融資対象者
創業支援を趣旨とする機関であり、会社員の創業、個人事業主、新設法人など幅広く対応してくれます。
融資対象物件
政府系金融機関だけあって、全国各地を対象に検討してくれます。構造も木造でも問題ありません。
融資額の上限
担保評価にあたっては積算評価を重視します。
公庫には個人に対する無担保枠が2000万円設定されており、これを有効活用すればフルローンを実現することができます。
加えて、修繕費用も含めた事業計画に対して融資してくれますから、再生物件にも向いています。
融資年数
税法上の耐用年数を超過した建物であっても、最大10年間の融資を受けることができます。
なお、公庫には「女性、若者/シニア起業家支援資金」という商品があり、経営者が女性、または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内であれば、最長20年までの融資期間を設定してもらえます。35歳から54歳の男性の皆さんは、諦めるか、家族にこの商品を紹介して利用してもらうかしましょう。
金利水準
公的機関ということもあり、金利水準は不動産を担保提供した場合は1%台と低くなります。無担保融資の場合は2%台など少し高くなります。
取引先あたりの融資総額
融資上限額は1人の経営者に対して原則として4,800万円です。ただし、上記の「女性、若者/シニア起業家支援資金」等の特例に該当すれば7,200万円が上限となります。
留意点
公庫融資の期間は原則10年間ですから、非常に利回りが高い物件を選定するようにしましょう。