区分マンション投資はオススメですか?と聞かれることがあります。
私は、実はあまりオススメしていません。その理由は以下の通りです。
投資利回り(物件価格と賃料のバランス)
サラリーマン投資家が手軽に買えるため値段が高止まりしがちで、その結果、利回りが低い印象があります。
ただこれは一般論で例外もありますので、安定したキャッシュフローが出る案件があれば、検討してよいと思います。
運営コストが割高になる
管理費
区分所有は管理費が割高になってしまいます。
大多数は管理業者を利用する「委託管理方式」であり、管理組合の理事会や総会のとりまとめ業務にコストがかかるためです。
かといって自主管理には以下のようなリスク(特に戸数が少ない物件)があり、売却したいときに買い手に警戒されて苦労します。
- 長期修繕計画を作っていない場合がある
- (前項と関連して)修繕積立金が不足している場合がある
- 万年理事が会計を私物化している場合がある
- 理事の業務負荷(支払・領収書管理・帳簿記入・業者対応・決算など)が重く、担い手がいない場合がある
- 区分所有者が軒並み高齢者で、現役世代に押し付けようとする場合がある
修繕積立金
また、修繕積立金については以下の懸念があります
- 運営費を安く見せて売りやすくするため、新築時は非現実的な安さに設定されることが通例です。
結果、年数を経るにつれ徐々に上がっていきます。 - 先払いしなければなりません。
このせいで不動産投資家のメリットである「レバレッジを活用することにより、手元現金を年率ふた桁で増やし続ける」ことが妨げられてしまいます。
特別徴収金
さらに、最近は不在家主から特別徴収金をとるマンションも増えています。
これも、投資家にとっては不利な流れです。
意思決定のハードルが高いことに注意
集団意思決定には労力がかかる
経営を改善するために、区分マンションでは管理組合を通さねばならず、たいへんな労力がかかります。
新参理事は発言権が弱い
マンションでは人間関係が形成されており、一部理事の発言権が強すぎる場合があります。
こうしたケースでは、特に新参オーナーでは、間違った意思決定を止められないことがあります。
土地活用の難しさ
区分マンションでは、建替決議は管理組合の特別決議が必要なため、事実上意思決定ができないことがほとんどです。
このため、土地活用の制約が大きいです。
売却損に用心すべき~売却価格の決まり方の特徴~
ファミリー用マンションは、(正しいスタンスかどうかは別として)住宅ローンの元利返済額と家賃とを比較して意思決定がなされるケースが多いです。このため、都心部では表面利回りが4%や5%でも取引される場合があります。
これに対して、投資用ワンルームマンションは利益を出すことが目的です。このため、都心部では表面利回りで最低でも6-8%は求められることが通常です。
これらの価格形成の違いを踏まえて、注意すべきは、「ファミリー用の感覚でワンルームを買ってしまう」ことです。場合によっては、売却時に価格が半減してしまう場合もあるので気をつけたいところです。
売却時に大きなロスが出てしまっては、仮に毎月少しずつプラスが出ていても、最終的な投資成果はマイナスとなることを忘れないようにしてください。
まとめ
私は都内に区分所有の自宅とワンルームを所有していますが、以上の理由から、これ以上増やそうとはあまり思いません。