フィリピン永住権(SRRV Classic)取得の手順を記載します(以下は2013年に取得した私の体験記です)。
全体的な流れ
おおまかな流れは下記の通りです。
- コンサルタントとの契約
- 書類の準備と送金
- フィリピン入国・申請手続き
- 事務処理の待機
- SRRV取得
コンサルタントとの契約
民間のコンサルタントに手続の支援を依頼しました。実際には、個人で全ての手続を終えることは不可能ではありません。それでもコンサルタントに依頼する理由は、ひとえに手続にかかる期間を短縮するためです。
SRRVの取得には、NBI(フィリピン軍情報局)やPRA(フィリピン退職庁)などの政府機関で手続を行う必要があります。これらの機関はいつも非常に混雑しています。例えば海外に渡航するフィリピン人は、定期的に無犯罪証明を更新せねばならないため、NBIは常時、申請者でごったがえしています。ここに正面玄関から入ってしまうと、数日間も待たなければならなくなります。コンサルタントは独自のネットワークを活用してこれらの手続を早めてくれることがあるのです。
私が依頼したコンサルタントは、PASCOです。駐在歴が長く現地事情に精通した日本人と現地フィリピン人がチームを組み、日本水準のサービスを提供してくれます。とはいえ、現地の政府機関・企業ともにあまり洗練されていない場合が多く、思いもしないトラブル(必要日数が延びてしまうなど)が発生することがあります。コンサルタントでも回避できない場合があり、そのリスクは自分で取るしかありません。
書類の準備と送金
必要書類の一覧
PRAサイトには、下記の書類が必要と書かれています。
- SRRV申請書(Duly accomplished SRRV Application Form)
- パスポート(Original Passport with Valid Entry Visa)
- 健康診断書(Medical Examination Clearance)
- 警察の認可とNBI認可(Police Clearance and National Bureau of Investigation (NBI) Clearance)
- 証明写真(ID Pictures – twelve (12) pieces of 2″x2″)
- 配偶者または子供の関係性証明(Additional Proof of Relationship for joining SPOUSE / CHILD)
- 年金証明(Pension Documents)
なお注釈が入っており、フィリピン国外で取得した書類については、英訳し、かつフィリピン大使館での認証を経なければならないことになっています。(All documents obtained / issued abroad must have an English translation and duly authenticated by the Philippine Embassy / Consular Office)
SRRV申請書
指定のフォーム(オンラインフォーム)に記入します。私は、コンサルタントから受け取ったWordファイルに記入する形で申請しました。
パスポート
ご存知、パスポートです。みなさん問題ないと思います。
健康診断書
健康診断書は英訳の問題もあるので、現地クリニックで取得するのがよいでしょう。私はコンサルタントが手配してくれたマニラの病院で健康診断を受診しました。
警察認可(日本での無犯罪証明)
日本で犯罪歴がないことの証明です。日本国内の警察署で無犯罪証明を取得し、外務省に確認証明をうけ、さらにフィリピン大使館の認証を終えたものを持参せねばなりません。原則として、SRRV申請時に提出が必要ですが、交渉により後日の提出でも受け付けてくれる場合があります。
- 警察署の無犯罪証明:警察本部で申請します(東京都に住民票がある場合は、警視庁で行います)。査証申請書、戸籍謄本、住民票、パスポートを持参します。現地では両手の指紋をべっとりと採取されました。これでもう、悪いことはできなくなりました(笑)取得まで3週間前後を要します。
- 外務省の確認証明:外務省で申請します。警視庁から発行された無犯罪証明とパスポート、郵送の場合は、返送用のレターパックを持参しましょう。
- フィリピン大使館の認証:フィリピン大使館(東京)または領事館(大阪)で行います。郵送での手続が可能です。
NBI認可(フィリピンでの無犯罪証明)
フィリピンで犯罪歴がないことの証明です。フィリピンの政府機関で手続をして認可をとります。
証明写真
12部とありますが、万一に備えて15枚程度持参すべきでしょう。時間に余裕がある場合は、現地で撮影したほうが安価ですが、急ぎの場合は国内で準備しましょう。
配偶者または子供の関係性証明
配偶者または子供の永住権を申請する方のみ、提出を求められます。
年金証明
年金受給者のみ、提出を求められます。
送金
送金は渡航の数日前までに行う必要があります。私は新生銀行から50,000ドルの送金を行いました。
フィリピン入国・申請手続き
入国準備
入国準備をします。下記の点を確認します。
- 用意した書類がそろっているか
- 十分な滞在日数を確保しているか
- 所持金は足りているか。最低○ドルは持参しましょう。
- 空港からの移動に必要な地図のプリントアウトなどを持参しているか
書類及びパスポートの提出
コンサルタントを訪問し、健康診断を受診、その後すみやかにNBIにて認可を得ます。
待機期間
申請書とパスポートを提出後は、SRRV発行までの待機期間となります。この間、国内での移動は認められますが、出国はできません。このため、多くの方はマニラの手続後、待機期間にセブやボラカイに移動してバカンスを楽しむようです。
SRRV取得
PRAを訪問し、念願のSRRVを取得します。