埼玉県坂戸エリアの築40年物件の再生が佳境を迎えています。
現地立会をしていたら、サービスブレーカーが超旧式であり、また漏電ブレーカーがついていないことに気づいてしまいました。
事故を防ぐための検討をしたいと思い、分電盤とブレーカーの概要を整理しました。
ブレーカーとは何か
ブレーカー(英語ではcircuit breaker)の役割は「回路を遮断すること」です。
分電盤と3種類のブレーカー
「ブレーカー」というと、玄関付近に大きな箱があって、開けると中につまみがついているものを想像するかと思いますが、これは正確には「分電盤」です。
分電盤の中に3種類の「ブレーカー」が格納されています。
ブレーカーの種類は以下の3種類であり、役割も位置づけも違います。
- サービスブレーカー
- 漏電ブレーカー
- 安全ブレーカー
出典: 中部電力(http://faq-www.chuden.co.jp/faq_detail.html?category=&page=1&id=64)
サービスブレーカーは家全体の容量超過に反応する
特徴と役割
一番左についている大きなつまみのことを、サービスブレーカー(またはアンペアブレーカー)と言います。
家全体で電気を同時に使える量は、電気会社との契約容量(アンペア)で決まります。
契約容量を超えた場合に、サービスブレーカーが落ちて電気が遮断され、停電状態になります。
しかし、スマートメーターの導入により、サービスブレーカーが不要となります。
ですので、「サービスブレーカーがない!」と焦らなくても大丈夫です。
サービスブレーカーがあった場所には、中継機器(ダミーのようなものです)が接続されます。
落ちた場合の対策と復旧
家全体の使用電気量が契約容量を超えたことが原因ですので、まず家全体で同時に使っている電気機器の量を減らしましょう。
例えば、電子レンジ、電気ポット、ドライヤーを一緒に使わないようにするなどです。
復旧するには、下がっているサービスブレーカーのつまみを上に上げて戻します。
スマートメーターに切り替わっている場合は、約10秒後に自動で復旧します。
漏電ブレーカーは漏電に反応する
特徴と役割
サービスブレーカーの右脇にあるつまみが、漏電ブレーカーです。
黄色と赤色のスイッチが併設されているものが一般的です。
建物内の配線や電気器具の漏電を素早く感知・しゃ断し、電気事故を未然に防ぐためのしゃ断器です。
落ちた場合の対策と復旧
以下の手順で漏電箇所を特定します
- すべての安全ブレーカーを切ります
- 漏電ブレーカーを入れます
- 安全ブレーカーを順々に入れます
- いずれかの安全ブレーカーを入れた際、漏電ブレーカーが落ちるかと思います。その回路が漏電しています。
- 該当する安全ブレーカーを落とした状態で、電力会社に連絡しましょう
安全ブレーカーは各部屋の容量超過に反応する
特徴と役割
右端にある、複数の小さなつまみの集団を「安全ブレーカー」と呼びます。
分電盤から各部屋へ電気を送る分岐回路のそれぞれに取り付けられています。電気器具やコードの故障でショートしたときや、使いすぎて過電流が流れた場合に電気を自動的にしゃ断し、電線を保護するしゃ断器です。
落ちた場合の対策と復旧
安全ブレーカーが落ちた場合は、その安全ブレーカーに対応している場所の電気使用量を減らした上で、ブレーカーを入れ直しましょう。
もし漏電ブレーカーが一緒におちている場合は、この場所が漏電している可能性があるので注意しましょう。
ブレーカーの交換
3つのブレーカーの所有権も以下のように事情が違います。
- サービスブレーカーは、電力会社の資産です。変更する際には電力会社に連絡します。
- 漏電ブレーカーと安全ブレーカーは、住宅オーナーの資産です。電気会社などに連絡して交換します。
今回の私の対応
電力会社がスマートメーターに交換してくれることになりました。
漏電ブレーカーの設置を依頼するとお高い(電力会社だと14,000円、電気工事会社だともっと高い価格の見積が出ました)ので見送りました。